CULTURE

セカストも参加した4回目の「DO REPAIRS」。 モノを大切に使い続ける喜びを体験する3日間

SDGsの実現が、世の中全体の目標となって久しく、コロナ禍を経て今やニュー・スタンダードに。そんな中、“使わなくなったモノを捨てるのではなく、次の方へ繋ぐ”というコンセプトのもと、全国に900店舗以上の店舗とオンラインストアを展開する〈2nd STREET セカンドストリート(以下、セカスト)〉。

幅広いジャンルのモノを買取・販売するリユースショップとしてSDGsの取り組みは責務であるという考えのもと、これまでも様々な取り組みを実施してきた。つい先日も、ファッション&ビューティ業界メディア「WWDJAPAN」がサステナブルな社会実現に向けて開催した、1日だけのカルチャー体験型イベント「WWDJAPAN REUSE MARKET 2025」に参加した際の様子をお届けしたばかり。

今回は、10月末にまた新たなイベントに参加したので、その様子をご覧いただくとしよう。イベントの名は「DO REPAIRS ドゥ・リペアーズ」。開催は4回目で、セカストは初参加となった。

27のブランド・団体が
渋谷・原宿の各所で
リペアを軸とした
体験コンテンツを展開

開催期間は10月24日〜26日の3日間。渋谷・原宿の街を舞台に、渋谷・原宿エリアのブランドが協力し、互いの垣根を越えて職人やスタッフが集まり、修理やメンテナンスを通じて、モノを大切に使い続ける喜びを体験させるこのイベント。好評を博し規模も徐々に拡大。4 回目となる今回は、27のブランドや団体が参加・協力。

DO REPAIRS_MAP

DO REPAIRS_渋谷cast.

©️株式会社アツラエル

ちなみに参加リストは以下の通り。〈THE NORTH FACE ザ・ノース・フェイス〉〈FREITAG フライターグ〉〈ARCʼTERYX アークテリクス〉〈Goldwin ゴールドウイン)、〈HELLY HANSEN ヘリーハンセン〉〈MYSTERY RANCH ミステリーランチ〉〈NewMake ニューメイク〉〈KEEN キーン〉〈Jason Markk ジェイソンマーク〉〈FJALLRAVEN フェールラーベン〉〈RESH リッシ〉〈CYKLUS サイクラス〉〈YKK ワイケイケイ〉〈TSUCHIYA KABAN 土屋カバン〉、〈HOLLYWOOD RANCH MARKET ハリウッドランチマーケット〉〈Nike ナイキ〉〈Columbia コロンビア〉、青山学院大学登録団体〈Innovation Around20 アラウンドトゥエンティ〉〈LIVRER リブレ〉。

これら27のブランド・団体がボランティアとも連携しつつ、エリア各所で「専門スタッフによる修理サービス」や「プロによるメンテナンスアドバイス」に「セルフリペアワークショップ」、さらに「映画『リペアカフェ』上映会」など、愛着ある製品を長く大切に使い続けるための多彩なコンテンツを提供した。

セカストは渋谷神南店と原宿店の2店舗で参加。前者は“ストリート”、後者は“アメカジ”と、それぞれのエリアに合わせたセレクトで、“あえて”ダメージのある商品を通常よりも手頃なプライスで販売。

これらを購入することで、手ぶらで訪れてもイベントに参加出来るという寸法だ。ダメージの該当箇所が分かるようにマーキングしてあるので、自分がどんなリペアを体験したいのかを考えつつ選ぶのも楽しい。我々取材班もリペアしてもらいたい私物アイテムを用意。実際にリペアを体験してみた

リペア体験01
キャンバストートバッグの
穴開き補修

用意したのは、質実剛健で知られる〈L.L.Bean エル・エル・ビーン〉のキャンバストートバッグ。分厚いキャンバス素材で作られており、ちょっとやそっとのダメージは気にならない…のだが、底面角部に擦れ・破れがあり、このまま使い続けると「気付かぬ間にバッグの中身が落ちていた」なんてことにも。

会場は「FREITAG STORE TOKYO SHIBUYA フライターグ ストア トウキョウ シブヤ」。ここではミシンを使用し、破れや穴の空いた箇所などのバッグの修理を、ブランド問わずリペアスタッフが修理してくれる。

イベント公式サイトから事前予約していた取材班一行。指定された時刻に訪れて受付したのち、実際にバッグの状態を見てもらい、リペアの方向性や仕上げイメージを相談する。

素材が厚手なので、今回はダメージ部分を埋めるようにタタキで補修してもらうことに。

工程は大まかに4つだ。①ステッチを解いて縫いやすい状態にする。②生地の色に合わせて糸を選ぶ。③ダメージ部分を補修。④解いたステッチを再び元の状態に縫い直して完成。

熟練のプロの手により、サクサクと進んでいく作業。さて、その仕上がりやいかに!?

After

ダメージがあったことを分からなくするような修繕も当然可能ではあるのだが、擦れて開いた穴は、愛着を持って使い込んだ証でもあるため、キレイに消してしまうには惜しい。そこでタタキによる修繕自体がデザインとなるように仕上げてもらった。これでまたヘビーデューティーに使えるようになった。

(→〈エル・エル・ビーン〉の「トートバッグ」をオンラインストアで探す)

リペア体験02
デニムシャツの
穴開き&破れ補修

同じ会場で、続けてもう1つのアイテムも。本イベントにも参加しているハリウッドランチマーケットが手掛ける日本生まれのデニムブランド、〈BLUE BLUE ブルー ブルー〉のデニムシャツ。両腕の剣ボロ上部に穴が開き、さらに前身頃のパッチ上部に縫製破れがあって、何とも気になる。

Before

そもそも色落ちやパッチなど、着込んでリペアした雰囲気をイメージして作られているため。そのままでも、昨今流行りの“ボロ”ファッションとして成立しなくもないが、さらに長く着続けるためにも、このタイミングでリペアをしておきたい。

こちらは、先ほどのバッグに比べると工程ももっとシンプルだ。①修繕に使う糸を選ぶ。②ダメージ部分を補修して完成。方向性としては、修正をあえて目立たせてデザインとして昇華させるか、元々の状態になるべく近づけて戻すかの2択。

経年劣化が見られるボディに合わせるならば、前者が現実的。というワケで今回は、お任せでオーダーしてみた。作業が始まれば、こちらも熟練の職人ワザで実にスピーディー。音楽を演奏するようにリズミカルに動くミシンの針を目で追っている内に、早々と完成した模様。

After

パッと見は元の状態に近づけたかに思えるが大違い。両腕の剣ボロ上部の穴は、ジーンズのステッチでもお馴染みのイエローと前身頃のパッチに使われているグリーンでジグザグとラフに縫い付けて修繕。その前身頃のパッチ部分の破れも、モチーフとなっている植物のイメージを拾い、蔦のようなステッチがあしらわれている。元々の意匠を活かしつつも遊び心を加えることで、自分だけの1着に仕上がった。

(→〈ブルー ブルー〉の「シャツ」をオンラインストアで探す)

リペア体験03
ナイロンコートの
溶解跡補修

ここまでの2つは天然素材のコットンだったが、ラストの3つ目は化繊のナイロン素材。アパレルの縫製修理は先ほどの会場でも行われていたが、こちらのアイテムをリペアするのは、「THE NORTH FACE Mountain ザ・ノース・フェイス マウンテン」の特設ブース。様々なアウトドアブランドと契約を結び、修繕業務を担う富山のリペア工房からやってきた熟練のスタッフの腕前が光る。

アイテムはアウトドアテイストとタウンユースにおけるファッション性を兼備した〈THE NORTH FACE PURPLE LABEL ザ・ノース・フェイス パープルレーベル〉のナイロンコートである。症状は、身頃内側の裏地に痛々しく残る、ハロゲンヒーターによる溶解跡。

Before

着用に大きな支障をきたす部位でこそないが、気分的にも直せるなら直したいところ。溶けた部分の上からナイロン生地を熱圧着してカバーするのでは? というのが取材班の見立て。どのような方法で修繕するのか見ものだ。

修繕に使われるナイロン生地のアイロンがけからスタート。キレイにシワを伸ばしたら、ステッチを解いて、裏地の中綿生地を外す。続いて、ダメージ部分とその周辺をパネル状で切り抜き、同じ大きさのナイロン生地へと丸々差し替える。

最後に縫製して元の状態に戻せば完成だ。てっきり作業効率を考慮して、熱圧着でダメージ部分をカバーする方法を取るのかと思いきや、より根本的な解決策が取られたことに驚かされた取材班。気になる仕上がりがこちら。

After

なかなか大掛かりな修繕となったが、ご覧のように仕上がりはいたってナチュラル。元々のデザインに馴染み、むしろアクセント効果が発揮され、最初からこういったデザインだったのかと思わせるほどの出来。脱ぎ着する際にチラ見えするダメージが何となく恥ずかしく疎遠になっていたが、これで再びワードロープの1軍へと返り咲くことが決定した。

(→〈ザ・ノース・フェイス パープルレーベル〉の「コート」をオンラインストアで探す)

セカンドストリートが
求められた役割と、
渋谷・原宿エリアで
イベントを開催することの意義。

渋谷・原宿エリアを回遊しつつ、3つのアイテムのリペアを体験した取材班。自分が愛着を持って使っていたモノが、再び長く使えるよう蘇っていく様子は胸アツ。熟練の職人によるリペア技術はどれも等しく興味深く、実に刺激的で楽しい経験を味わうことが出来た。ドゥ・リペアーズ運営事務局 合同会社サイクラス代表の平田氏に、本イベントの意義について話を伺ったので、最後にお届けするとしよう。

ー本イベントでは、様々なリペアコンテンツが用意されていますが「どこが何を担当するか」というのは、どうやって決定したのでしょうか?

平田「リペアやケアの各コンテンツは最初に決まっていて、それぞれを提供できるブランドやショップに担当してもらいました。要は、ブランドやショップの垣根を越えて、サステナブルなライフスタイルと循環型ファッションの楽しみ方を発信する。ここが普通のイベントとちょっと違うユニークなところでしょうね」

ーそれでいいますと、セカストの参加にはどういった部分を期待されたのでしょうか?

平田「セカンドストリートさんには、穴やダメージがあるけれど、直せばまだ着られる。そんな服を提供していただきました。これまで通りがかりにイベントの趣旨に共感して参加したいという方がいても、すぐに参加できないという課題がありました。それも今回、セカンドストリートさんにご協力いただいたおかげで、さらに多くの人々が参加しやすくなったと思います」

ーセカストとしても、お客さまに「これまで見逃していたようなアイテムにも、リペアやメンテナンスを施すことで、もっと楽しめる可能性が眠っている」と知ってもらえるキッカケになったかと思います。

平田「まさにそれが狙いです。『穴が開いていたり破れてしまったら、もうそれは寿命だ』と捨てられていたウェアやギアが、別の誰かの手に渡り、そして直すことでまた使い続けてもらえる。愛着を持って使い続けることでユーザーにも、そして結果として自然環境にもプラスになる素晴らしいことだと思います。」

©️株式会社アツラエル

ーこの渋谷・原宿エリアで開催することの意義について教えてください。

平田「世界へ、カルチャー・ファッション・アートを発信する街であると同時に“消費をする街”でもある渋谷・原宿エリア。買ったモノを一過性の消費で終わらせるのではなく、愛着を持って長く大切に着たり、使ってもらう。その価値ある行動をブランドやショップが主体となって、強く、そして広く発信出来るのはこの街だからこそ。そういう意味でも本当に大きな意義があると感じています」

取材班が訪れた初日の空模様はイマイチだったが、それでも各ショップで提供されたコンテンツは十分な集客を記録し、事前のリペア予約も満席。取材中も当日受付の希望者が続々と現れ、盛況を呈した。

ファッションの街から“モノを大切にすることの喜びと価値”を広く発信した「DO REPAIRS」。その根幹にある“愛着を着る。”という考えは、セカストが掲げる“使わなくなったモノを捨てるのではなく、次の方へ繋ぐ”というコンセプトとも繋がり、本イベントを起点にさらに広がっていったに違いない。残念ながら参加出来なかったという人は、次回の開催にぜひご期待あれ。

Text : TOMMY
Photo: Sara Hashimoto

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